父が植えた河津桜


 

1本の河津桜の、話です・・・。

 

 

この写真は、江戸川の河川敷に植えられている河津桜・・・
4年前に亡くなった父が、生きていたころに、植えたものです。
市で、市川市妙典付近の、河川敷に
桜を植える「桜オーナー」を募集して
平成16年と、18年に、2回にわけて、植えたらしい。
この写真の桜は、平成16年に植えたもの。

 

でも、父が植えた桜の事を、3月13日まで、
家族の誰も知らなかったんです。
日本で、大震災が起こった、翌々日。
父の元同僚だった近所のご夫婦が、うちの実家の前を たまたま通り
庭にいた私の母に、
「 しんちゃん(うちの父のあだ名)が植えた、河津桜、
風が強くて散り始めちゃっただろうね。見に行った? 」
そう、話かけられた・・・。
うちの母は、「何の話?桜って何?」 
全く話がみえなかったそうです。
よくよく、聞くと、父の会社が、その当時
市川市の仕事をしていて、桜オーナーの話があり
私の父は、希望して桜を植えたんだそう。
その時 苗木だった桜が、こんなに大きくなっていた。
母も 父に話されたのかもしれないけど
何年も前の事で、記憶がないのかも・・・。
 家族みんなで、
「 えーっ お父さんが桜を植えてたんだねぇ 」
そんな 感じでした。

河川敷は、家から、自転車で15分くらいの所・・・。
話を聞いた次の日、母と妹が見に行った時に撮った写真です。
風で、散りかけてはいましたが、まだ花も残っていました。
私も、この2日あとに見に行きました。

桜は、70本位、植えられていて 
それぞれの桜オーナーが、
桜に名前をつけたり、言葉をそえたりしていました。
うちの父は・・・
いつか人生 花が咲く
七転八起
そうつけていました。(^^)
大震災のあと、余震も続き、建物が壊れたり
原発の事もあり、次々と結婚式の仕事も
延期やキャンセルになり、
結婚式をする人も減り、花の仕事も出来なくなるんじゃないか。
と、私にしては珍しく、ネガティブな気分になっている時・・・・。
この父の桜オーナーの看板を見たんです。
「 自分達の所は、家もあり、家族も生きていて幸せなんだ!
あんなにたくさんの命が奪われたんだから
生きていられる、お前たちは、自分に出来ることを
やるしかないだろう!! 」
そう、天国から 話しかけられているような気がしました。

 

何度も何度も転んでも、頑張って絶対、起き上がる
そういう意味の・・・七転び八起き
そして、いつか人生花が咲く。
「 こんな時期に、この桜の存在を知れたのも
何かお父さんが、伝えたかったんじゃないですか?? 」
この話をした、うちのスタッフにそう言われた。

本当にそうかもしれないなぁ。

 

来年から、毎年この河津桜を見に行こうと思っています。

 

おととい、テレビで、大きな被害があった被災地が映しだされ

津波で家や周りの様々なものが流されたがれきだらけの場所に

咲いている梅の花を放映していた。

何もなかったかのように、綺麗に咲いていた。

それを、見ていた人が、

「 あんなにすごい津波だったのに

塩水にも負けずに、咲いているんですよぉ。

勇気をもらえるでしょう?頑張らなければねぇ。」

「この時期に・・・癒されるでしょう?」

そんな風に、答えていた。

こんな時でも、花は人の心に、すっーと入ってくるんだなぁ

やっぱり、花の仕事をしている私達は

花で、人の心を幸せな気持ちにすることだ。

あらためて、思い返した映像でした。

チャリティー試合をやったサッカーの選手達も、

自分たちに今、出来ることは、サッカーだ!

そう思って試合をしたんだろう。と、思う。

カズ選手のゴールには、感動しました。

何かをして勇気づけたい。力になりたい。

そういうカズ選手の思いが通じたゴールだと思う。

「 44歳という年齢で大好きなサッカーを続け、

自分の信念を曲げずに、進んでいる。

そんなカズ選手から、勇気をもらった。 」

と、被災地の人達は話していた。

そういうことが、元気や勇気をあたえられるんだ。

きっと、自粛ばかりでは、駄目なんだと思います。

出来ることをやっていかなければ・・・。

 

FMラジオで今日、

「 震災は大変なんだけど、今回の事で、日本人で、良かった。

 と、あらためて思った。 」 そのような事を言う声が多い。

と、パーソナリティーの人が言っていた。

こんなに大変な事がおこったのに、皆が協力して

頑張っているし、世界の中の日本人。について知れたからだそう。

 

そんな事、今まで考えた事はなかったけれど

なんとなく、わかる気がする。

本当に、これからが大変な時・・・・・。

被災地の方の復興を祈りながら、自分も頑張らなくては・・・。

人生・・・いつかは花が咲く。

その言葉を心から 信じて・・・。

 

 

 

 

 

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